私達は「心穏やかに過ごしたい」と心がけていても、ふとした瞬間にほとんど反射的にイラッとしたり怒りの感情が沸き起こってくることがあります。
そんな、怒りやイライラの感情を整理して、怒りの感情に振り回されないようになるための瞑想方法を解説します。
瞑想はとてもシンプルな感情コントロール術であり、お金がかからず、しかも即効性があるので、瞑想をしたことがない方でもまずは一度試してみていただきたい方法です。
もくじ
怒りやイライラの感情をコントロールする瞑想5ステップ
まずは瞑想の流れを把握するために簡単に流れを説明します。
瞑想5ステップ
- 怒りの感情を紙やスマホのメモ帳に書き出す。
- 瞑想する時間をタイマーでセットする(5分〜30分)
- 姿勢を整える
- 瞑想する
- タイマーがなったら軽く体を動かして意識を外側に戻す
瞑想に必要な時間は5分〜30分がおすすめです。
ステップ1から順番に詳しく解説していきますね。
ステップ1:怒りの感情を紙やスマホのメモ帳に書き出す
瞑想を始める前に、自分が今から観察する対象(怒り・イライラしている内容)を文字に書き起こし意識するのがポイントです。
これをしないと、なんとなく瞑想の時間が過ぎてしまったり、他の雑念に夢中になって本来の目的から外れてしまうことがあるため、瞑想初心者は特に大事なステップです。
書き出す内容は、箇条書きでも、文章でもかまいません。
・家族にイライラする
・職場での怒りがおさまらない
など、シンプルな文章でもいいですし
「なぜ何回言っても片付けることができないのか?使ったものは元に戻して!」
など、相手に伝えたい言葉を書き出してもOKです。
ステップ2:瞑想する時間をタイマーでセットする
タイマーは、スマホなど手近にあるもので構いません。
タイマーをセットすることで、短期的に集中力がアップ、タイマーのアラームが瞑想後に感情を切り替えるきっかけを作ってくれます。
時間は5分〜30分の間がおすすめです。
瞑想は1分だけでも効果があるのですが、「怒り」という感情を整理するためには短くても5分程度はあったほうがスッキリします。
逆に、長ければいいというものでもなく、長くても30分以内に収めるようにしましょう。
怒りの度合いで、瞑想に必要な時間も変わってきます。
たとえば、見知らぬ人に理不尽にぶつかられたと言うような瞬間的な怒りの感情は、比較的短時間で解消することができます。
家族や友人、職場の人など、身近で接する機会が多い相手に感じた怒りの感情は、複雑に絡み合っていたり、長年蓄積されている場合が多いため、時間がかかる傾向があります。
初心者の方は、まずは自分が無理なく瞑想できる時間を考えてみましょう。
初めてだと、意外と5分でも長く感じることが多いので、少しずつ時間を長くするなど調整をしていきましょう。
ステップ3:姿勢を整える
感情を書き出し、瞑想する時間が決まったら、瞑想をする姿勢を整えていきましょう。
あぐらや正座、椅子に座っても構いませんし、あお向けや立ったままでも瞑想することは可能です。
瞑想をする姿勢の基本は、骨盤が安定していること、背骨がおだやかに伸びていることです。
あぐらの場合は、お尻の下に座布団などを敷いて安定させ、椅子やソファーの場合は背もたれに寄りかからずに行いましょう。
体を支える骨盤が安定することで、気持ちが安定しやすくなる効果があります。
ステップ4:瞑想する
姿勢まで整ったら、早速瞑想をしていきましょう。
軽く目を閉じて、呼吸へ意識を向けていきます。
無理に呼吸を深くとる必要はなく、心地の良いペースで続けます。
「呼吸」と書くように、息を吐くことから始めるように意識します。
ゆったりとした呼吸を続けながら、骨盤や下腹のあたりに意識を向けましょう。
吐く息でお腹がへこみ、骨盤の安定感が増す様子を数呼吸、感じます。
骨盤や下腹の安定感を感じることで、頭に上っていた血がスーッと落ち着いていきます。
少し、怒りの感情が落ち着いてきたら、みぞおちや胸の中心あたりに意識を向けましょう。
吸う息で胸がふくらみ、背骨が上方向に伸びていく様子を数呼吸、感じます。
背筋が伸び、胸が広がる様子を感じることで、胸のつまりやイライラのストレスが解消されていきます。
次は、喉元に意識を向けてみましょう。
呼吸によって喉を通り抜ける空気の風を感じながら、数呼吸集中します。
澄んだ空気が風となって喉元を通り抜ける様子や、きれいな水が喉のあたりを通り過ぎて洗い流してくれるようなイメージをしてみるのもおすすめです。
喉の通りの良さを感じることで、吐き出したい怒りの感情や、言いたくても言えないイライラした感情のモヤモヤをすっきりさせる効果があります。
喉のあたりがすっきりしたら、眉間に意識を向けていきます。
瞼の内側にひろがる光を感じてみたり、静かな雪原や星空をイメージするなどして、頭の中のいつも静かな部分を感じていきましょう。
頭の中に冷静な自分の視点を感じることができたら、その冷静な自分がイライラしている自分を空の上から見下ろしている様子をイメージします。
どんな姿が思い浮かぶでしょうか?
家族にお説教という名の怒りをぶつけている姿でしょうか。
イライラしているのに、その感情をグッと堪えている姿かもしれません。
どんな姿でも大丈夫です。その様子を、眉間のあたりの冷静な視点で観察します。
怒りやイライラの感情に意識を向けると、反射的に体が緊張したり、呼吸が浅くなったりすることがあるかもしれません。
そんな時は口からフーっと息を吐いてみたり、お腹や胸の動きに意識を戻して気持ちを落ち着かせましょう。
気持ちが落ち着いたら、また眉間のあたりに意識を戻し、冷静な視点から怒りやイライラの感情を眺めていきます。
冷静な視点から、怒っている自分は怒りという感情を通して、何を伝えたかったのか?何を感じていたのか、を観察していきます。
しばらく客観的に見ていると、「自分の気持ちを理解してもらえない悲しみ」や、「相手がするべきことを自分が負担しているストレス」など、怒りの根本的な原因が見えてきます。
これかな?という根本原因に気が付いたら、「共感してもらえなかったことで悲しかったんだね」と、怒っているあなたに寄り添ってあげましょう。
そして、「あぁ、自分が怒っていたのは相手に共感してもらえなかったことで悲しかったからなのか…」と冷静に見ることで、怒りの感情がおさまっていくのを感じましょう。
この瞑想では、その悲しく感じた気持ちまでを手放そうとしなくて大丈夫です。
冷静に、怒りやイライラの本当の原因を見極めることがポイントです。
怒りやイライラの本当の原因に気がつくだけで、怒りの感情は勝手におさまっていくことがほとんどです。
でも、それでもまだイライラやもやもやが続いている場合は、見落としていることがあるかもしれないので、もうしばらく冷静な視点から怒りを感じている自分の姿を見守っていきましょう。
気持ちが落ち着いてきて、瞑想の時間が余っているようでしたら、残りの時間は穏やかな呼吸を感じたり、ワクワクするようなことを思い浮かべたりして、本来の瞑想の心地よさを味わっていきましょう。
ステップ5:意識を外側へ戻す
タイマーがなったら、急に目を開けるのではなく、手の指先を動かしたり、肩を回したり、伸びをするなど体を動かして準備をしてから目を開けていきましょう。
意識を外側へ戻したら、瞑想後のすっきりした感覚を数呼吸味わいます。
以上で、怒りやイライラの感情をコントロールする瞑想ステップは完了です。
順番さえ覚えてしまえば、少しイラッとしたくらいの感情であれば5分ほどで完了するので、感情を上手にコントロールするツールの一つとして活用してみてください。
長年蓄積した怒りやイライラは、一度の瞑想では解消しきれない場合もあります。
その場合は、時間を伸ばすのではなく、無理なく集中できる時間の瞑想を何度か繰り返すように、日常的に瞑想を続けてみてください。
どんな方でも、続けることで必ず変化を感じることができますよ!
怒りや感情をコントロールするための瞑想ガイド
一人でやってみてもうまくできているのかわからない、続けることが難しいと感じる場合は、瞑想ガイドありで行ってみるのもおすすめです。
最近はYou Tubeなどにも瞑想ガイドがアップされているので、手軽に瞑想を始めることができます。
今回紹介した瞑想方法と同じものはないかもしれませんが、気になるものがあれば、是非試してみてくださいね。
オンラインでマンツーマンの瞑想ガイドも行っています。
怒りやイライラの感情以外にも、あなたに合わせた瞑想を行っていきますので興味のある方はお問い合わせください。
また、2022年5月7日にワークショップを行い、その中でも瞑想方法を実践していきますので、ご都合の良い方は是非ご参加ください♪
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怒り・イライラの感情の正体とは?
私達を日々悩ませる感情の一つ、「怒り」。
なんだかわからないけどイライラする。
家族に対していつも怒りっぽくなってしまう。
「怒り」と言っても、その内容は千差万別です。
怒りやイライラは心からのサイン!
「何に怒っているのか」イライラの原因は人によって、状況によって変わります。
しかし、すべての怒りに共通して言えることは、怒りやイライラの感情は「心からのサイン」であるということです。
怒りの原因は、相手や物事、外にあると思っていませんか?
実は、怒りの原因は常に自分の中にあります。
そのため、相手にガミガミ言ったり、誰かに愚痴を言ったり、物に八つ当たりしても怒りの感情は解消されません。
怒りの原因が外にあると思っていると、怒りを発散させて一瞬すっきりしたと思っても、後から「なんであんな言い方しかできなかったんだろう…」と後悔したり、また同じ様なことでイライラしたりの繰り返しです。
怒り・イライラなどの感情は、「あなたが心地のいい状態から外れてますよ!」という心からのサインです。
言うなれば、心からのHELP。
環境や過ごし方、考え方を見直してね、という合図です。
相手がいる怒りの原因も自分の内側にある?
とはいえ、パートナーや子供、親にイライラした時にも自分の内側に原因があるの?と思ってしまいますよね。
誰かに怒りの感情を抱いたとしても、その怒りの原因は実はあなたの中にあります。
たとえば、「子供は勉強をするべき」「ゲームよりも宿題を優先すべき」という考えがあなたの中にあったら、宿題をせずにゲームばかりしている子供をみたときにイラっとしますよね。
「ゲームばかりしてないで、勉強しなさい!」と、思わず口に出してしまうかもしれません。
これは、「ゲームよりも宿題をするべき」という固定観念が自分の中にあることから来た苛立ちです。
何度注意しても脱ぎっぱなし、使いっぱなしの癖が治らないのでイライラする。
この場合は、「脱いだものは洗濯カゴに入れる、使ったものは元の場所に戻すのが正しい」という考えがあなたの中にあると、それに反する行動を取られたときにイライラとして現れます。
怒りの原因は自分主体で相手に伝えよう
自分の価値観と相手の価値観(行動)が合わないことから、怒りやイライラは発生します。
じゃあ、我慢するしかないのか?というと、そんなことはありません。
感情まかせに「早く勉強しなさい!」「片付けなさい!」というのは相手の行動をコントロールしようとする言い方です。
瞑想で冷静に、怒りの原因を見極めたら、自分の思いや気持ち・希望を自分主体で相手に伝えることが大切です。
ゲームよりも宿題を優先すべきと考えているのなら、その理由を冷静に説明し、「〜だから、自分は宿題を先にしたほうがいいと思う」と自分主体で伝えます。
片付けをしてくれないことがストレスになっているのなら「毎回出しっぱなしにされると、毎回私が片付けることになって負担が大きい。せめて共用部分だけでも気をつけてもらえると助かる。」と、自分主体で伝えます。
注意:相手をコントロールすることはできない!
瞑想で怒りの感情の根本原因を見極めたら、その感情を整理して、相手に伝える必要がある場合は自分主体で伝えましょう。
そして、覚えておいてほしいのは、コントロールできるのはここまで!ということです。
怒りの感情を整理して、自分主体で相手に伝えたあと、相手がその言葉をどう受け取って、どう行動を変えるかは、相手の問題です。
相手が何かに気付き、行動が変わることもありますし、何も変わらないこと、変わるまで時間がかかることもあります。
自分主体で冷静に気持ちを伝えた後に、それでも一緒にいることに苦痛を感じるのであれば、物理的に距離を置くようにするしかありません。
家族や職場の人だと簡単に距離をとることはできないかもしれませんが、接触頻度を減らすことはできるはずです。
簡単な瞑想方法で怒りやイライラの感情をコントロールしよう
今回は、瞑想で怒りやイライラの感情をコントロールし、即効性のある方法をご紹介しました。
まずは瞑想をする時間を決めて、ステップ1〜5までを試してみてください。
冷静に、怒りの原因を見極めて、なにか相手に伝えるべきことがある場合は、相手主体ではなく自分主体で伝えるように心がけましょう。
日々の瞑想や気付きが、あなたの日常生活をより快適にしてくれますように♪